子どもの支援
病気の子ども
子どもが病院へ行くときに、子どもへ「なぜ病院にいくのか」、「病院で何があるのか」を伝えていますか?
子どもへ採血などの検査、手術や入院することを伝えると、怖がらせてしまうのではないか、と悩まれる方は多いです。
しかし、子どもは、何も知らされていないと、疑問を抱きやすく、お父さんやお母さんの様子がいつもと違うことに不安を感じます。
これからどこにいくのか、何をされるのか、その子に適した言葉を使用して説明すると、子どもは、自分なりに理解し、“心の準備”をすることができます。何も知らない不安感や緊張感を軽減するために、子どもとお話をしてから病院に来てください。
子どもと話すときのポイント
嘘をつかない
子どもに話をするときは、正直にお話ししてください。とくに小学生の子どもたちは、いろいろな質問をするかもしれません。その質問には嘘をつかずに答えてあげましょう。答えにくい質問や、わからない質問に対しては、「わからないから、病院の先生に聞いてみよう」「いい質問だね。」「病院に行ってみないとわからない」と、返答してみてください。
子どもに適した言葉を選ぶ
「採血」や「手術」は、怖い言葉ではありません。
大人だけで、コソコソ使っている言葉は、子どもにとって不安感や不信感を増強させることがあります。「採血」「手術」「麻酔」などは、過度に秘密にする必要はありませんので、わかりやすい言葉にしてそのまま使用することをおすすめします。
例えば・・・
- 「採血」は、血の検査、体の様子を知るための大切な検査
- 「手術」は、体の元気がないところを治してもらうこと
- 「麻酔」は、手術をするときに寝るためのお薬で、痛みを感じないようにしてくれる
手術について話をするタイミング(年齢別)
- 幼児期:手術の3-5日前
- 学童期:手術の1週間前
- 思春期:手術の2-3週間前
なぜ手術をするのか、手術をすることでどんないいことがあるのかを伝えましょう
検査や手術をする理由は、子どもの発達に合わせて説明します。
例えば
心臓の手術の場合
「心臓ってどこにあるかわかる?心臓に小さな穴が開いているから、手術して閉じてもらうよ。手術したら、走っても疲れにくくなるんだよ。」
鼠経ヘルニアの場合
「足の付け根のところが、ぽこっとしてるでしょ。ここを手術で先生に治してもらうよ。かっこよく治してもらおうね。」
手術後の様子も伝えましょう
手術が終わって、子どもは目が覚めた時、想像していない状況に戸惑ってパニックになることがあります。子どもの状況に応じて以下のようなことを伝えましょう。
- 点滴がついていること
- 酸素マスクをつけていること
- 手術した部位に違和感や痛みを感じること
- 同じ病室に戻ってくること
- 違うお部屋(ICU)に行くこと
様子がわからない場合や、伝えにくい内容があれば、担当医や看護師に相談してください。
手術探検ツアー
当院では、手術を受ける予定の子ども(4-10歳)を対象に「手術室見学ツアー」を行っています。
手術室探検ツアーに興味のある方は、主治医または看護師にお声掛けください。
子どもの入院
病院に入院すること(お泊り)を子どもに伝えるようにしましょう。入院という非日常的な出来事は、大人も子どもも緊張します。子どもが少しでも安心して入院できるように、入院する理由、入院する期間、どんなおもちゃを持っていくかなど、子どもと一緒にお話をしてあげてください。子どもの安心する場所(自宅のリビングや子ども部屋)で、落ち着いた時間帯(夕食後や休日)にお話しすることをおすすめします。
子どもと話すときのポイント
付き添いのご家族の心の準備をしましょう
入院について、心配なことや質問はありませんか?多くの保護者さんが入院について不安や心配を抱えておられます。親御さんの心配事が少なくなると、子ども落ち着く傾向にありますので、担当医や看護師に、気軽に相談・質問してください。どんな些細な質問でも構いません。
移行期医療
移行期医療とは、小児期医療から成人期医療への移り変わりを計画的に行う医療で、子ども(慢性疾患)の発達やキャラクターに応じて、自律・自立を多職種で支援することです。年齢によって、成人医療に移行(転科)させることではありません。
子どもは、成長とともに家族よりも学校で過ごす時間や、友達との時間が増え、様々な問題に直面します。自分の疾患や治療について、発達に応じた理解をし、適切な対応ができるように準備をする必要があります。当院では、子どもの自律・自立支援のために「移行期医療外来」を行っています。
例えば、子どもが内服や自己注射を中断するようになったり、主治医に対し「別に」「どっちでもいい」「めんどくさい」と返答するようになったりしたら、子どもが自立したいサインを示しています。こんな時は、主治医または看護師に相談してください。
親が病気の子ども
親が病気になったとき、子どもはどんなきもち?
いつも元気なお母さんが静かに寝ている。いつも一緒に遊んでくれるお父さんが帰ってこないなど、親の変化や生活の変化に対し、子どもは敏感になります。一方で、親御さんは、子どもたちを傷つけたくないという思いから、病気のことを秘密にしたり、病院に行くことを隠す方も多いです。子どものことを大切に思うからこそ、病気を伝えない選択をされる方もいるとおもいますが、子どもは「知りたい!」「なんでおしえてくれないの?」と思っているかもしれません。
子どもへ親の病気を伝える方法
まずは話をする方の心の準備をします
できるだけ、落ち着いた時間帯や落ち着いた場所を選びましょう。
病名や治療計画について話します
子どもの年齢に合わせて、病名を伝えます。紙に書いて説明するとわかりやすいです。
子どもの生活に影響することがらを伝えます
送り迎えができないことや、一緒にお風呂に入れないなど、子どもの生活の変化を前もって伝えることで、子どもが気持ちを整理する時間を作ります。
子どもが質問しやすい状況を作ります
子どもが我慢したり、気持ちを抑え込まないように、いつでも質問できることを伝えましょう。子どもの質問に答えることができないときは、無理に答える必要はありません。「どうかな。お母さんも答えがわからないから、今度先生に聞いてみるね。」など、答えがわからないことを伝えます。
(参照:がんについて子どもと話をするときのヒント | Hope Tree(ホープツリー))
CLIMB®プログラム(がんの親をもつ子どものためのグループワーク)
子どもの持っている力を引き出し、親の病気に関連するストレスに対処していくための能力を高めることや、同じような状況にある子どもたちが集まって、一緒に工作をしたり、話し合ったりしながら、お互いの状況や気持ちを伝えあい、仲間とつながることを目的にしています。
CLIMBプログラムに興味のある方は、当院のがん相談支援センターへ、お問い合わせください。
がん相談支援センター
参考サイト・書籍
- NPO法人ホープツリー
- がん情報サービス 未成年の子どもがいるがんと診断された方へ:子どもとのかかわりを考えるときに
- 「わたしだって知りたい!」~親ががんになったとき 子どもに何を伝え、どう支えるか~
- 「がんはどんな病気?」~親ががんになったときに知っておいて欲しいこと~
- 「だれも分かってくれない!」~思春期の子どもにとって親ががんの患者であるということ~
病気の子どものきょうだい
“きょうだい”はどんな気持ち?
子どもが病院に通っている、入院しているとき、その子のきょうだいは、病気の子どもに対する気遣いや不安、嫉妬、疎外感などを抱えやすいと言われています。家族は、病気の不安を抱え、生活の変化を調整することに追われて、きょうだいのことを気にかける余裕がないかもしれません。家族だけでなく、医療スタッフや学校、地域とも協力してきょうだいも大切な「子ども」として支援していきましょう。
子どものサイン
- ごはんをたべない、好き嫌いをするようになった
- トイレを失敗するようになった
- 夜尿が始まる
- 抱っこが増えて、甘えるようになった
- 保育園・学校にいけない
- 集中力がなくなった
- 友達とけんかするようになった
- 友達と遊ばなくなった
- 部屋に引きこもるようなった
- 親だけに反抗的な言動をする
“きょうだい”に周りの大人ができることは?
病気の子どものきょうだいに出会ったとき、困っている様子がなくても声をかけてあげましょう。
簡単なあいさつや、「何しているの?」「調子はどう?」など、きょうだいも見てもらっていると感じる言葉を伝えます。
当院の医療スタッフは、きょうだいも大切な患者さんの家族と思っています、もし、きょうだいが困っている、いつもと違う様子があれば、いつでも相談してください。